2019年9月18日の経営層人権啓発講座でジェフ・バーグランド氏らが講演
日刊ケイザイ新聞に掲載
ダイバーシティや外国人労働者の人権問題テーマに約5百名が聴講
大阪市企業人権推進協議会はこのほど、「経営層人権啓発講座」を大阪市立中央公会堂で開催し、京都外国語大学国際貢献学部教授のジェフ・バーグランド氏とRINK(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク)事務局長の早崎直美さんが講演、約500名が聴講した。
ジェフ氏は「『十人十色のコミュニケーション』~ダイバーシテイ&インクルージョン~」と題し、‟ダイバーシテ“(多様な人材を積極的に活用しようという考え)について解説。
「人間は自分と違うものから学ぶことができる。それがダイバーシティの1番良いところ。職場の中にいろんな人間がいれば、それだけ多くのことが学べる。観察して借りて(真似して)統合することで新しい自分が作れる。これは企業にとって強みとなる。加えて職場も明るくなる。多様性を持った人々が全面的に会社の中に受け入れられ、安心感を持って仕事ができるからだ。
また我々は目に見える違いはもちろん、目に見えない違いからも学ばなくてはならない。
例えば、こうした講演会で、皆さんに両手を組むようにお願いすると、右手の親指が上に来る人と左手の親指が上に来る人がちょうど半々ぐらいの割合になる。では、いつもと反対に組んでみてとお願いすると多くの人が自分の手を見つめて戸惑う。これがダイバーシティを発見する瞬間で、目に見えない違いがあるということに気づく時。反対に組むと多くの人が違和感を覚えるが、この違和感こそ、人権の違和感、喜ぶべき違和感であり、ダイバーシティを楽しむ大前提となる。職場でも違和感を抱いたときに、否定するのではなく、違いを喜び、そこから学ぶことが重要」
また、早崎 直美さんは、「『外国人雇用の拡大と共生社会の人権課題』~グロバル社会で、今、企業に問われていること~」と題して講演。
RINKの相談活動から見えてきた外国人労慟者の現状にっいて紹介するとともに、現在政府が進めている外国人労働者受け入れ拡大の動きなどについて解説した。
大阪市企業人権推進協議会は人権を重んずる企業の集まりで、会員は約2800社(2018年度末時点)。企業の立場から人権を考え、人権を尊重した明るい社会づくりのため、研修啓発や広報活動など、様々な取り組みをおこなっている。
経営層人権啓発講座は大阪市から委託されて開催しており、毎年、企業の事業主や経営層が多数参加している。